2013/10/28

資料 武器三原則 2013/10/28

禁輸三原則「撤廃」も/武器輸出に新指針検討/安倍首相前向き/歯止めの議論不可欠    2013/07/24 11:22
安倍晋三首相
安倍政権は22日、武器禁輸政策の抜本見直しに向けた議論を8月から本格化させる方針を固めた。新たな指針の策定により、従来の武器輸出三原則を事実上「撤廃」することも視野に入れている。安倍晋三首相は撤廃に前向きという。政府筋が明らかにした。
 防衛省は26日にも公表する新防衛大綱の中間報告に新指針の策定方針を盛り込む方向だ。冷戦下で共産圏への技術流出を防ぐ目的の三原則が、武器の国際共同開発が主流の現状にそぐわないとの判断からで、野田民主党政権が進めた禁輸緩和をさらに徹底する。国内防衛産業を育成する狙いもある。
 参院選勝利を受け、首相は安全保障政策への取り組みを強化したい考えで、首相官邸や外務、防衛、経済産業各省の担当者が来月下旬から連絡会議をスタートさせる。全面解禁とはせずに、武器の共同開発に日本企業が参入する場合、国際紛争を平和的に解決するなどとした国連憲章の趣旨が守られることを条件とする案が浮上している。
 憲法の平和主義と併せ、国民に長く受け入れられてきた三原則の撤廃には政府内にも慎重論が残っており、波紋を広げるのは必至だ。首相は国内外の意見を慎重に考慮し最終判断する構えだ。
 武器輸出三原則は1967年、当時の佐藤栄作首相が国会で表明し、歴代政権が政府見解として踏襲してきた。法律には明文化されていない。
 政府は、三原則の規制がある中で、米国とのミサイル防衛開発などに際し、個別に例外措置を適用してきたが、野田政権下の2011年、第三国移転や目的外使用を防ぐための事前同意を条件に、禁輸を大幅に緩和する基準を策定した。
 だが、航空自衛隊に導入するF35戦闘機の国際共同開発は事前同意を得られない仕組みだったため、政府は今年3月、「国連憲章の順守」を条件に、あらためて例外扱いにするとの官房長官談話を発表し、国内防衛産業の参入を可能にした。
 安倍政権は今後、個別に例外措置を取るより三原則に代わる新たな指針を明示し、武器の国際開発に積極参加する姿勢を鮮明にすべきだとの考えに傾いている。
■歯止めの議論不可欠 
 【解説】安倍政権が武器禁輸政策の抜本見直しに乗り出すのは、武器輸出三原則がハードルとなって世界の潮流である国際開発に乗り遅れ、安全保障分野の国益を損なう事態を恐れたためだ。日本の高度な技術が、国際紛争を助長する方向で転用される懸念は拭えない。三原則に代わる歯止めの仕組みは不可欠だ。
 安倍晋三首相は3月の国会答弁で、紛争当事国への技術流出を理由に禁輸措置を取り続けることに疑問を呈し「どの国も紛争当事国になる恐れがある。全部排除できるのかという根本的な問題も真面目に検討していく必要がある」と強調した。
 防衛省幹部は「日本にとって三原則は大切な国是だが、諸外国から理解されていない」と指摘し、首相の狙いを「東南アジア諸国に日本の防衛技術を売り込み、対中国の安全保障網を築くツールにしたい」と代弁した。
 政府は3月にF35戦闘機の共同開発に国内企業の参入を認めた。その後、英国と化学防護服の開発で合意し、フランスとも協力を進めるなど実績を積み重ねている。三原則「撤廃」論は集団的自衛権行使の容認の動きと併せ、安倍カラーの一環と捉えることができる。
 防衛産業側にも慎重意見がある。ある経団連幹部は「『死の商人』と呼ばれる可能性があるので世論が気になる。一気に撤廃しなくても、石橋をたたいて渡るように例外を積み重ねていけば良いのではないか」と、戸惑いを隠せない様子だ。
 (共同通信)

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有識者懇、武器三原則見直し明記/「国家安全保障戦略」概要まとめ
2013/10/22 10:12



 安倍晋三首相が設置した「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・北岡伸一国際大学長)は21日、外交と安全保障の包括的な指針となる「国家安全保障戦略」の概要をまとめた。他国との防衛装備・技術協力を拡大する観点から、武器や関連技術の輸出を原則的に禁じる「武器輸出三原則」の見直しを明記した。中国や北朝鮮の軍事力増強を脅威と位置付け、領域保全強化や海上安全保障の確保を打ち出した。
 基本理念として世界の平和と安定に積極的な責任を果たす「積極的平和主義」を掲げたが、別の有識者懇談会で検討している集団的自衛権の行使容認は明示しなかった。戦略は政府が年内発足を目指す日本版「国家安全保障会議(NSC)」の運営指針とする。
 安保政策の方向性や自衛隊の運用に大きな変化をもたらす内容で、国内外から懸念も出そうだ。
 政府は今後、概要を基に与党や関係省庁と調整して最終案をつくり、12月に新防衛大綱とともに閣議決定する。安保環境の変化を踏まえて戦略は随時見直し、10年以内に大幅な改定を行う方針だ。
 首相は21日の会合で「皆さんの意見を伺い、政府の国家安全保障戦略の策定作業を加速させていく。積極的平和主義の下で行う政策を具体化する」と意欲を表明した。
 概要は、東シナ海や南シナ海で海洋進出を活発化させる中国をにらみ「近年、資源の確保や自国の安全保障の観点から『力』による現状変更を企図する動きが増加」していると指摘。シーレーン(海上交通路)の安定や航行の自由を脅かされるリスクの増大に対して懸念を示した。
 拡散・多様化する国際テロへの対処や、日米同盟強化、国連平和維持活動(PKO)など国際平和協力の推進を強調。国際的なサイバー攻撃の脅威にも言及し、政府の体制強化とともに官民連携を通じた対策を講じることを盛り込んだ。
 安全保障を支える国内基盤を強化するため「国を愛する心」の育成や、安保教育の拡充が必要とした。

 ▼安全保障と防衛力に関する懇談会
 安全保障と防衛力に関する懇談会 安倍晋三首相が外交・安全保障の包括的な指針となる「国家安全保障戦略」策定のため設置した私的諮問機関。首相の外交ブレーンの谷内正太郎内閣官房参与や官僚OB、学者ら8人で構成。9月12日に首相や菅義偉官房長官らも出席し初会合を開き、これまで計3回の懇談会を開催した。座長の北岡伸一国際大学長は、集団的自衛権の在り方を検討している「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」座長代理も務めるなど一部メンバーが重なる。
 (共同通信)

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