2013/10/27

資料 2013/10/27 ①

東電、除染費用支払い拒否 74億円、国は黙認


写真・図版
 【関根慎一、多田敏男】東京電力が除染事業の大半の項目について費用の支払いに応じない考えを2月時点で国に明確に伝えていたことが、朝日新聞が環境省への情報公開請求で得た文書でわかった。国はこれを公表せず、支払い拒否を黙認している。
 国が除染費用を立て替えた後、東電に請求するのが「放射性物質汚染対処特別措置法」の規定だ。環境省は現在までに計404億円を請求したが、東電が支払ったのは67億円。国や東電は「内容の確認に時間がかかっている」とし、手続き上の問題と説明してきた。
 ところが、東電は2月21日付で環境省に送った文書で、昨年11月の第1回請求分の大半について「支払いが困難であるとの結論に至った」と拒否。環境省が説明を求めると、2月27日付の回答文書で、第2回請求分をあわせた149億円(118項目)のうち、74億円(95項目)について個別に支払わない理由を列挙した。さらに、賠償交渉を仲介する「原子力損害賠償紛争解決センター(ADR)」に委ねることを検討するよう提案した。
 例えば、除去した土などを保管する中間貯蔵施設の事前調査などの1億円について、東電は「相当因果関係を認めることができるか疑義がある。事前調査や研究などは、国の政策的な努力義務」として支払い不能と回答。除染技術を試すための4・4億円や広報業務費9・6億円も「特措法に基づく措置ではない」と主張していた。
 環境省は3月1日付で「特措法の解釈権は国にあり東電に支払いの責任がある」と反論する文書を送ったが、ADRへの申し立てなどの対抗策はとっていない。
 
 
  ☆ 公費投入 責任棚上げ
 5兆円強に膨らむとされる費用を誰が負担するのかを棚上げし、国が除染事業に巨額の公費を投入し続けている実態が公文書で判明した。東電は法律に基づいて請求された支払いに応じず、国も厳しく取り立てていない。東電の破綻を回避するため、「暗黙の了解」が成立している。
 
 
 東電は国から最大5兆円の支援を受けることを前提に再建計画を作成。住民らへの賠償費用として3,8兆円を見込む一方、除染費用は「必要が予測できない」として52億円しか入れていない。国の除染予算は今年度時点で1,3兆円に上がり、再建計画ははすでに崩壊状態だ。東電は除染費用の支払いを渋り、最後は税金での穴埋めを狙っているとの疑念を招いている。
 国も東電に請求すると言いつつ、、除染費用をほぼ無視した再建計画を認めている。与党内では国が負担する案が浮上し、経済産業省は歓迎。一方、財務省は東電が電気料金から支払うべきだとの姿勢を崩していない。政府内の議論はまとまらず、巨額の除染費用から目を背けて問題を先送りしているのが現状だ。
 この結果、除染をどこまで徹底するのかという根本的問題は放置され、住民の帰還計画は定まらない。地元の反発を恐れて国も東電も支払い拒否の事実さえ公表せず、責任の所在をぼかしている。このままでは「除染の加速」はおぼつかない。
(多田敏夫)・・・・・・この部分打ち込みです。突かれた!
 
 

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